今回紹介する小説は、『マギンティ夫人は死んだ』(早川書房)です。エルキュール・ポアロものです。
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殺された夫人、死刑宣告を受けた男
夕食を終え家に帰ったポアロを待っていたのは、スペンス警視だった。
スペンス警視はマギンティ夫人殺人事件の担当をしており、間借り人の男ベントリィを容疑者として逮捕した。公判も終わり、ベントリィは死刑の宣告を受けているという。だが、当のスペンス警視は彼が犯人だとは思えなかった。そこで彼はポアロに事件の再調査を依頼したのだった。
お金持ちでもなく、敵もいなかったというマギンティ夫人がなぜ殺されたのか、ポアロは事件の現場であるブローディニーへ赴いたのだった。
4人の女性
マギンティ夫人が殺された理由。そのヒントは新聞『日曜の友』に掲載された「犯罪に関係した4人の女性」についての記事にあるようだった。マギンティ夫人はこの中の一人がブローディニーに住んでいることを知り、そのために殺されたのだ。しかしいったい誰がその人なのか?マギンティ夫人殺人事件を調査する中、第二の殺人が起きてしまう…。
美食家ポアロ、まずい飯を食べる
私が好きな場面は、冒頭部分。ポアロがレストランでおいしい晩餐を済ませ、満足しながら家路につく場面です。「人間が一日に三度しか食べられないなんて」と不満を口にするほど美食家のポアロが、後のブローディニーでの美味しいとは言えない食事に辟易する様子はちと可哀そうではありますが。
若干登場人物が多くて名前が覚えきれませんでしたが、それでも楽しく読めました。犯人を推理しながら読んでもよいし、ただの物語として読んでも面白いと思います。
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