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いい人に囲まれる幸せ『麦本三歩の好きなもの 第一集』住野よる【感想】

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なんか幸せそうな本があったので読んでみました。

ということで今回紹介する本は『麦本三歩の好きなもの 第一集』です。

主な内容

大学図書館で働く麦本三歩(むぎもとさんぽ)は「ぼうっとしている、食べすぎ、おっちょこちょい、間抜け」(8頁)な女性。そんな三歩さんの何気ない日々が綴られた短編集です。

三歩さんを囲む素敵な先輩たち

三歩さんの勤め先の図書館では主に3人の先輩が出てきます。①怖い先輩②優しい先輩③おかしな先輩。

読んでいて思ったのは、この3人とも皆いい人やないかい! ということです。①怖い先輩だって、三歩さんのミスを根気よく注意したり、三歩さんに夕飯をごちそうしたり、三歩さんの好きなお菓子を用意したりと、すごく三歩さんのことを可愛がっています。まったく、こんないい人たちに囲まれている三歩さんが羨ましいですわ。

三歩さんはフツーのひと

麦本三歩って名前は少々変わっていますが、三歩さん自身はちょっと抜けつつもいたってフツーの人といった感じです。ま、一人暮らしの女性なら大体こんな生活なんじゃないかなぁと思いました。

ちなみに食べることが大好きな三歩さんの、

明日は明日の食べたいものがあるはずだから、三歩あまりまとめ買いはしない主義」(79頁)

というフレーズがけっこう印象に残りました。食欲があるっていいですね。

実は我々の周りにもこんな素敵な人たちが?

本書を読み終えて、「この本が麦本三歩といういたってフツーの人の平凡な日常を描いているのだとしたら、そこにそのまま自分自身を当てはめることもできるのではないだろうか?」とか思ったわけです。

するとなんだ、私の職場にもいるのだろうか? ①怖い先輩②優しい先輩③おかしな先輩が! いや~、ゴールデンウイーク明けに会社に行くのが楽しみになってきましたよ。まずはナイスバディの優しい先輩を探してみようかな。

という感じに、もうちょっと自分の周りの人たちのことに関心を持ってみようかと思える本でした。