ミステリー

ドタバタミステリー『おしゃべり時計の秘密』(フランク・グルーバー)【感想】

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何か面白いミステリーないかと思って探していたらありました、面白そうなやつ。

というわけで今回紹介する本は『おしゃべり時計の秘密』です。ジョニー&サム・シリーズの第5作目とのことです。

あらすじ

ジョニー・フレッチャーとサム・クラッグの2人は本のセールスマン。あちらこちらで本の実演販売をしている。不運が重なり浮浪者と間違われ、刑務所に入れられた2人。そこにさらなる悲劇が襲いかかる。なんと同じ房にいた若い男が殺されたのだ!

殺人の罪まで背負わされながら這う這うの体で刑務所から逃げだしたジョニーとサム。残ったのは殺された男から託された1枚の質札のみ。

こうして2人はおしゃべり時計を巡る騒動に足を踏み入れるのだった。

本の実演販売

口のうまいジョニーと立派な体格をもつサム。2人は本の実演販売をします。売っている本は『だれでもサムスンになれる』。さて、何を実演するのかと思ったら、ジョニーがサムの上半身にベルト(もしくは鎖)を巻き付け、サムがそれを筋肉で断ち切るというパフォーマンスを見せるのです。サーカス団かな?

本のセールスをするというところで映画『ペーパームーン』を思い出しました。あっちは聖書の訪問販売ですね。ま、『ペーパームーン』の方がやっていることはあくどい(というか詐欺)ですが。

本作からでも楽しめます

本作はジョニー&サム・シリーズの第5作目とのことらしく、おなじみっぽい人も出ては来るのですが、本作だけ読んでもちゃんと楽しめます。もしこのコンビが気に入ったら、他の作品を読んでみるともっと面白いかもしれないと思いました。

もともと本作が発表されたのが1941年ということもあり、古き良きアメリカの雰囲気がどことなく感じられます。死人は出ますが悲壮感は全くなく、気楽に楽しめる作品だと思います。