ミステリー

『危険なビーナス』(東野圭吾)【感想】

Photo by Blaz Photo on Unsplash

帯いわく、「恋も謎もスリリングな絶品ミステリー」なんだと。それはぜひ読みたい。

というわけで今回紹介する本は『危険なビーナス』です。うーん、怪しい響き。

あらすじ

獣医の手島伯朗のもとに、弟の妻を名乗る女から電話があった。曰く、失踪した弟を探す手伝いとして欲しい、と。

弟はどこにいるのか、失踪の原因は何か、そしてこの女は本当に弟の妻なのか?魅力あふれる弟の妻「楓」に惑わされながら弟を探すミステリー。

カーリーヘアの女

明人の妻を名乗る楓は、カーリーヘアで肉感的な女性です。ほどほどのむっちりボディと、はきはきしたその性格に、伯朗はどんどん惹かれていきます。ま、伯朗はもともと惚れっぽい性格のようですが。

題名の危険なビーナスは、楓のことを言っているのかなと思うのですが、正直なところ、危険な感じはあんまりしないです。怪しげなビーナスくらいでしょうか。そしてその正体は…仰天とまではいきませんが、伯朗よ幸せに、といった感じでしょうか。

矢神家の人々

伯朗とその弟の明人は、種違いの兄弟です。最初の夫の死後、母親の禎子が矢神康治と結婚しもうけた子どもが明人です。矢神家は当時かなりの名家でした。

そして矢神康治が死の病に瀕している今、遺産相続の話が持ち上がっており、明人の失踪は遺産相続に関係があるかも…てな感じに話が進んでいきます。それにしても人間関係が複雑でした。

本作はドラマ化し、2020年の10月からTBSで放送されているようです。ドラマを見たら、もう少しすっきり話が分かるかもしれないと思いました。