ミステリー

『蛍』(麻耶雄嵩)【感想】

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かつて、福山雅治さんの『蛍』という曲を練習していました。

というわけで今回紹介する本は『蛍』です。

あらすじ

オカルトスポット探検サークル「アキリーズクラブ」のメンバーは、今年もファイアフライ館へ夏合宿に向かった。かつて、世界的なヴァイオリニストが6人の人間を惨殺したいわくつきの館で肝試しをするために。しかし、初日の肝試しを終えたその翌日、最初の殺人が起きた!

ファイアフライ館で起きた過去の惨劇、殺人鬼ジョージ、閉ざされた空間で明らかにされていくおぞましい真実とは。

殺人鬼ジョージ

ジョージは、似たような特徴の女性を狙って殺している殺人鬼です。狙われた女性はいずれも20歳前後の、細面、やせ型、長い黒髪をもつ人ばかり。そして見つかる死体は皆、死後ひと月近くたった状態で発見されます。

アキリーズクラブに所属していた学生にも1人、ジョージの犠牲となった女性がいました。ファイアフライ館での殺人事件を探っていくうちに、ジョージの正体も明らかになっていきます。

はっと驚くミステリー

話自体は読みやすく、はっとした驚きを感じられる作品だと思います。様々に張られた伏線が回収されていく様はすごいなぁと思いました(なぜジョージは死体を1か月近く手元に置いておくのかとか)。

私は、一人称で語られる部分が誰の語りなのかというところで騙されました。きっと、物語の最後の方で、「え?」となると思います。そしてオチの部分では「は?」となると思います。

それにしても、完全防音なのに雨の音だけが聞こえる建物なんて実際に造れるのでしょうか。