ミステリー

『境遇』(湊かなえ)【感想】

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湊かなえさんの『山女日記』、面白かったなぁ。よし、次に読む本はこれに決めた!

というわけで今回紹介する本は『境遇』です。

あらすじ

政治家の妻陽子と新聞記者の晴美。親友の2人は、児童養護施設で育てられた過去を持っていた。ある日、陽子が息子のために書いた絵本が思いがけず話題になり、一躍時の人に。しかしそんな折、陽子の息子が誘拐された!

犯人の要求は、真実を公表すること。果たして犯人の求める真実とは一体何なのか…。

ミステリーというよりヒューマンドラマ

おそらく本書を読んでいる途中で、犯人やその動機が分かる人も結構いるのではないかと思います。また、誘拐のトリックも突拍子があるものではありません。

であればやはり本書の見どころは、解説にもあるように、「濃密な人間ドラマ」なのだろうと思います。もともとドラマのための書下ろし小説なんだそうで、なるほど息子を誘拐され、警察への通報もできずに憔悴する陽子と、その陽子が唯一頼りにできる晴美のとのやり取りは、映像でみるとより緊張感が増しそうです。

殺人犯の子どもに生まれて

自分自身は何の罪を犯したわけではないのに、親が犯罪者だということはその人の人生に大きな影を落とすものなのだと改めて思いました。しかも大人になってそんな真実に直面したら、自分ならきっと今までのように生きるのは難しいかもしれません。

それにしても、自分の産みの親が誰なのか知りたくなるのはなぜなのでしょうか?

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