ミステリー

『人形はなぜ殺される』(高木彬光)【感想】

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どんなに怖そうなミステリーでも、探偵役が頼もしいと安心して読めますよね。

というわけで今回紹介する本は『人形はなぜ殺される』です。もともとは1955年に刊行された作品です。天才名探偵、神津恭介シリーズです。

あらすじ

日本アマチュア魔術協会の新作魔術発表会で使うはずだった人形の首がなくなった。果たしてその数日後、ギロチンにかけられた首無し死体が発見され、その傍には無くなったはずの人形の首が! またある時は人形が列車に轢かれ、その後をなぞるように人が轢断された。…人形が死ぬと人が殺される。大胆不敵な犯人からの挑戦に、神津恭介が挑む。

探偵はイケメンで天才

本作の探偵役は神津恭介です。35歳、独身。東大医学部卒で、医学博士と理学博士の2つの学位をもつ日本人ばなれした造形の美男子です。要は天才でイケメン。できすぎですな。

ただ本作での活躍は今一つといった感じがしました。神津恭介よりも一歩二歩推理をリードする人がいるので、そのすごさが霞んで見えます。

首の置き所が怖すぎる

さて、最初の殺人で結局見つからなかった死体の首ですが、物語の最後に首が保管されていた場所が示唆されます。それを読んで、あな恐ろしや! と思いました。題名の怖さのわりにサクサク読み進めていったのですが、ここの部分で気味悪くなりました。

本作は読者への挑戦状がところどころに挟まれていますので、我こそはと思う方はぜひ読んでみてください。