ミステリー

『透明人間は密室に潜む』阿津川辰海【感想】

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今回紹介する本は『透明人間は密室に潜む』です。4つの作品が収められています。

2020年本格ミステリ・ベスト10の第1位、このミステリーがすごい!の第2位、週刊文春ミステリーベスト10の第2位、ミステリが読みたい!の第3位にランクインした作品です。ミステリーのブック・ランキング多いな。

よりどりみどりの4編

あとがきでそれぞれの作品について作者自らコメントしています。この辺りを読んで興味をもったなら、本書も一読の価値ありと思います。以下一部抜粋です。

①「透明人間は密室に潜む」

SFミステリが好きだ。そして、倒叙ミステリが好きだ。(291頁)

②「六人の熱狂する日本人」

密室劇が好きだ。そして、アイドルが好きだ。(292頁)

③「盗聴された殺人」

探偵が好きだ。そして、犯人当てが好きだ。(293頁)

④「第13号船室からの脱出」

リアル脱出ゲームが好きだ。そして、船上ミステリが好きだ。(294頁)

実に色んなところから着想を得てミステリーを書いているのだなと、当たり前ながら思いました。

あなたはどれが好きですか?

個人的には、題名だけなら「透明人間は密室に潜む」が一番好きです。タイトルだけでわくわくします。

内容は「第13号船室からの脱出」が面白かった印象です。なによりリアル脱出ゲームが楽しそうでした。リアル脱出ゲームを体験したことはないのですが、本作に出てくるリアル脱出ゲームが実際にあったらかなり面白いのではないかと思いました。

著者の阿津川辰海氏は1994年生まれ。2021年時点で20代後半ですね。若い! このままどんどんミステリーを書いていくのか、はたまた別路線にいくのかわかりませんが、ブック・ランキングを席巻する作品はまだまだ出てきそうです。