いつだったか、シネアドで知った本作を読んでみました。
というわけで今回紹介する本は『屍人荘の殺人』です。ネタバレありです。
あらすじ
葉村譲と明智恭介はミステリ愛好会に所属している大学生。同じく大学生で探偵の剣崎比留子と映研の夏合宿に参加中、思わぬ事態に遭遇し、一同は紫湛荘(しじんそう)に閉じ込められた。外敵の脅威に怯えながら一夜明けると、メンバーの1人が密室で殺されていた! しかしそれは連続殺人の始まりに過ぎなかった。
果たして葉村達は、徐々に追い詰められていく状況で、犯人を見つけ、無事生還することはできるのか。
ゾンビが迫ってくる!
葉村一行を紫湛荘に閉じ込めたものの正体は「ゾンビ」です。なんか班目(まだらめ)機関という組織が作ったウイルスに感染した人がゾンビ化したというお話。この辺は、本作の続編『魔眼の匣の殺人』に描かれているようです。
呪われ体質の探偵:剣崎比留子
剣崎は、大学生にして警察協力章をもらうくらいの探偵です。しかし、彼女は自身を呪われた体質だといいます。いわく「私はただ事件に巻き込まれ、そこから生き延びるために必死になって解決してきただけ(242頁)」。
なんか『名探偵コナン』の毛利小五郎ばりの事件呼び寄せ体質ということなのでしょうが、ぜひ死なないで欲しいと思います。
果たして、この体質が続編にも影響してくるのでしょうか?
大学生夏合宿ミステリー
大学生が夏合宿で別荘に行くという設定が、麻耶雄嵩『蛍』に似ているなと思いましたが、雰囲気は全然違いました。同じ殺人事件といっても本作の方がより明るい雰囲気が漂っている気がします。あと大学生中心のミステリーだと恋愛関係は無視できない動機になりますね(いや、大学生に限らないかもしれませんが)。
ミステリランキングで4冠をとったほどの作品ですから、興味本位でも一読の価値ありだと思います。