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『たちどまって考える』(ヤマザキマリ)【感想】

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『ヴィオラ母さん』が読みたくて立ち寄った本屋。残念ながら『ヴィオラ母さん』は置いてなかったので、かわりに手に取ったのが本書です。

というわけで今回紹介する本は『たちどまって考える』です。

主な内容

新型コロナウイルスの世界的感染拡大によって、日本に長期滞在せざるを得なくなった著者が、この脅威に対する各国(主にイタリアと日本)の対応などを比較して見えたこと、考えたことを綴っています。

印象に残ったこと

本書を読んで印象に残ったことは2つあります。

1 責任を伴った決断は、熟考の上に成り立つ

1つ目は、言葉の力は「熟考」がもたらすものであり、責任を伴った決断は、熟考の上に成り立つということです。主に政治家のスピーチについて触れられていました。

弁証力という言葉が頻繁に用いられていましたが、国民に対して自分の政治的判断を説明し、理解を得ることは、まさに政治家のマストスキルよなと思いました。ただ、日本の場合は政治家のスピーチの上手下手もありますが、受け手側である国民もレベルアップしないと、改善は難しそうだとも感じました。

2 イタリア人は家族で議論する

2つ目は、イタリア人のファミリー感です。

別々に暮らしていても毎日のように電話をし、週に1度は集まるというイタリア人の生活習慣に驚きました。そんだけ集まって喧々諤々意見を交わしていたら、自分の意見も持つようになるし、政治家の言うことにも反応するようになるだろうよ、と思いました。

 

全体を通じて、コロナでもなんでも、どこか他人事と思っているところに問題の根源がありそうだという気がしました。「たちどまって考える」ことは、「物事を自分事として捉えること」と置き換えられるのかもなぁ。