ミステリー

宝石を巡る女子校ミステリー『鳩のなかの猫』(アガサ・クリスティ)【感想】

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中東で革命が勃発! どさくさに紛れて消えた宝石がイギリスの女子校に?

というわけで今回紹介するのは『鳩のなかの猫』です。ポアロが登場します。

あらすじ

中東ラマット国で革命が起き、アリ国王は亡き者となった。と同時に王の所有する宝石が忽然と消え失せた。その価値75万ポンド!

一方その頃、イギリスの名門女子校メドウバンクでは、体育教師が何者かに殺された。次はドイツ語教師、そしてフランス語教師まで…。

校内で起こる宝石を巡る殺人劇。ある女学生の勇敢な行動が事件を解決に導く!

お宝を探せ

国王アリの持っていた宝石が、ひょんなことからメドウバンク校へ持ち込まれたわけなのですが、その結果、4人もの教師が命を落とします。なんてこった! 解説によると、この宝石の現在価値は15千万円だそうです。金額もそうですが、宝石の持つ魔力も相当高そう。

お気に入りポイントはジュリアの想像力と行動力

本作では、ポアロの登場は物語後半です。依頼人はメドウバンク校の生徒、ジュリア・アップジョン。校内で宝石を見つけ出したジュリアは、事件解決のため学校を抜け出し、1人ポアロを訪ねたのでした。ジュリアの想像力と行動力のおかげで、殺人事件を解決することができたということです。

自分がジュリアの立場だったら、宝石は見つけることが出来たかもしれませんが、学校を抜け出してポアロの元へ行くことは到底できなかったと思います。ジュリアさんの勇敢な行動に感服しました。

『暗い鏡の中に』もどうぞ

教師が主役を張るミステリーは、他に『暗い鏡の中に』(ヘレン・マクロイ)を読んだことがあります。こっちはある女学院の教師を巡るミステリーのようなホラーのような話。『鳩のなかの猫』とはまったく毛色が異なる話ですが、興味がある方はこちらもどうぞ。