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『ヤマザキマリの世界逍遥録』(ヤマザキマリ)【感想】

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出不精でも旅には憧れる。

ということで今回紹介する本は『ヤマザキマリの世界逍遥録』です。エッセイということもあり非常に読みやすい本でした。

主な内容

著者ヤマザキマリさんが過去に訪ねた世界各地の旅の思い出が、絵と写真と文章で綴られています。全7章です。

第1章 温泉
第2章 文化
第3章 動物
第4章 タイ北部紀行
第5章 家族
第6章 グルメ
第7章 遺跡

印象に残った章

一読して印象に残ったのは「温泉」と「象」でした。

温泉

代表作に『テルマエ・ロマエ』があるように、ヤマザキマリといえば温泉みたいなところがありますよね。

第1章「温泉」ではイタリアはカンパニア州の「地獄谷」と、北海道は支笏湖の秘湯について記述があります。

イタリアの「地獄谷」ことソルファタラは硫黄漂う地熱地帯です。温泉もあるようですが私は散歩のほうに興味をそそられました。なんでも

地下の熱が湯気や温かい岩盤を通じて実感できる(15頁)」

らしいです。温かい岩盤の上を歩いたり寝転んだりしたらそれはそれは気持ちよさそうです。

もうひとつ記憶に残ったのは第3章「動物」にでてくるタイ北部はチェンセーンの象です。

チェンセーンにはリゾートホテルが管理するエレファントキャンプがあり、宿泊客はそこで象たちと触れ合うことができるようです。

初めて触れた象の耳はほんのり温かく、寛大で優しい感触(76頁)。」

思わず涙ぐむ程のぬくもりなんだそうで、ぜひ触ってみたいと思いました。

 

それにしても寒い季節に読んだからか、「地獄谷」の岩盤や象のぬくもりといった温かいものについ目が行ってしまいました。

ついでにベルーガのおでこも触ってみたいと思っていたことを思い出しました。あちらは冷たそうですが。

世界地図を眺めながら

本書の最初のほうに見開きで世界地図があります。一読後、行ってみたいあんなところこんなところを考えてもいいですし、人間以外の生物について思いを馳せてみるのもいいかもしれません。出不精でも、世界の広さ、地球の懐の深さを感じられる本でした。