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『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)【感想】

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緑色の背景にこけし(?)が描かれた表紙は何度か本屋でみましたが、手に取るには至っていなかった本書。機会があって読んでみました。というわけで今回紹介する本は『そして、バトンは渡された』です。本屋大賞受賞作です。

あらすじ

森宮優子、17歳。彼女には2人の母と3人の父がいる。死別やら大人の都合やらで今は3人目の「父」と暮らす彼女はしかし、いつでも親たちの愛情を受けて育ってきた。

やがて彼女も大人になり、結婚をすることに。たくさんの親に見守られて旅立つ子どもと、未来へとバトンを渡す親たちの物語。

なんでこんなに親が?

優子さんはもともと水戸家に生まれましたが、幼くして母親が亡くなり、父は梨花さんという女性と結婚します。この梨花さんがなかなかトンデモな人物で、優子さんの2人目、3人目の父親はともに梨花さんの再婚相手です。

しかし親になる人みんな優子さんを愛し、一生懸命に親をしています。先の梨花さんだって、やり方は突拍子もないですが、ピアノが欲しいと願った優子さんのために新しい父親を探したり、自分の後継者となる父親を探したり、優子さんのためを思って行動していたわけです。

こんな子育ての形も増えそう

核家族化が進んできた日本ですが、最近はコミュニティ(オンラインサロンとか)の活動も活発で、こんな風に多数の大人で子どもを育てる動きが活発化しそうだなと何となく思いました(「父親」や「母親」が次々変わるてのはあんまりないかと思いますが)。

血のつながりだけが親子を規定しているわけではないと、そんな当たり前のことを改めて感じました。

 

一気に読んでしまいましたが、本屋大賞を受賞するのもの納得な、読みやすいし、気持ちの良い読後感を味わえる物語です。