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中年女の復讐譚『最後は臼が笑う』(森絵都)【感想】

Photo by Lena Kudryavtseva on Unsplash

『無限大ガール』のほかに、Audibleの短編文学チャンネルで聴ける森絵都の作品に『最後は臼が笑う』があります。朗読者は松永玲子さん。男運の悪い女「桜子」とその女友達がある男に復讐をするというお話。40分弱の物語です。

『無限大ガール』に興味がある方は、こちらもどうぞ。

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Audibleで聴く森絵都のおすすめ(無限大ガール)Audible会員になると、無料でいくつかのコンテンツを視聴することができます。その中のひとつ『短編文学チャンネル』で聴ける無限大ガール...

 

『最後は臼が笑う』 あらすじ

どんな悪い男にも一分の愛しいところを見つけ、愛してしまう桜子(39歳)。妻子持ちの男に騙され、借金を抱えた男に貢がされ、アブノーマルな性癖の男にいたぶられ…その男運の悪さに、女友達が「桜子の男運を変える会」なるものを発足し、なんとかしようとしてきたのだが、当の本人はいっこうに懲りない。しかしそんな桜子の前に、ついに生粋の悪が現れた!

憎きその悪を退治するべく、さるかに合戦張りの作戦を用意した桜子たち中年女は、いざ決戦の地(通勤電車)へ赴くのであった…。

とにかく表現が面白い

例えば、生粋の悪とされる男について、「つるりと人の注意を横滑りさせるほどに気配が薄」いとか「網膜に影一つ残さない」とか「目に優しい壁紙のような」といった表現がされています。これを真顔で聴くことはできませんでした。

その他、この男との情交回想シーンにまつわる「XXと言った」「XXとも言った」ってな表現も面白すぎる。

朗読者が上手くてこんなにもニヤニヤしてしまうのだろうか?文字で読んでもこんなに面白いのでしょうか?とにかく楽しめます。ぜひ聴いてみてください。