東野圭吾といったら『容疑者Xの献身』一本推しの私ですが、ま、他の本も読んでみようということで、短編集を読みました。
というわけで、今回紹介するのは『素敵な日本人』です。9つの短編が収められています。特に印象に残った2編を紹介します。
「正月の決意」あらすじ
元旦の朝、ある決意をした達之と康代の2人は近所の神社へ初詣に向かった。すると賽銭箱の近くで町長が倒れているのを発見した! 2人は警察を呼んだが、お休みモードに入っている彼らは何だか皆やる気がない。殺人未遂かと思われた事件のずっこけな結末を通じて、2人はその行く末を考え直すのだった。
気楽にいこうぜ
神社で起こった事件は結局なんてことはなかったものの、家に帰った達之と康代の描写にひやりとさせられます。このずっこけ騒動は、2人に「もっと気楽に生きろ」と神様が伝えるために起こしたものなのかもしれません。
「レンタルベビー」あらすじ
エリーはこの夏の休暇をどう過ごすか悩んだ末、疑似子育て体験をすることにした。そう、赤ちゃんロボットをレンタルしたのだ。しかしやはり子育ては大変だ。赤ちゃんのうんちを浴びたり、突然の高熱に慌てふためいたり、あげくの果てには赤ちゃんが誘拐されたり…様々なトラブルを経験したエリーの決断とは?
パワフルな女、エリー
ミステリー短編とありますが、これはSFともいえると思います。赤ちゃんロボットがレンタルできる時代ですからね。ちなみにエリーの友人は宇宙旅行に行ったりしています。
本作がミステリーたる所以は、やはり最後のオチがあるからだと思います。
子育てを疑似経験してみたい人って20~30代の女性かなと勝手に思っていたので、ガツンと来ました。いやはや、エリーはなんと活発な方だろうか。
手軽に読めます
今回紹介したものだけでなく、9編全てに言えることですが、短編でもきっちり最後にオチを持ってくるところが面白いなと思いました。短編なのでほんとサクサク読めます。
しかしながら、『素敵な日本人』というタイトルの意味がよくわかりませんでした。何だろうか。うーむ、きになる。